–刹那主義的四輪劇場–
第24回紹介作品
「17 セブンティーン」
監督 ガイ・ファーランド
出演 ブラッド・レンフロ、 ケヴィン・ベーコン
97年米
劇中メインカー 1959年型キャデラック コンバーチブル
この映画は多感なティーンエイジャーの少年が大人の世界の洗礼を受け、
成長するというものです。
舞台は1960年、オハイオ州クリーブランド。17歳の男子高校生カーチィ・ジョナスは
ふとしたことから憧れのラジオDJ、ビリー・マジックの付き人になります。
ビリーのヘアスタイル、ファッション、立ち振る舞い、すべてに憧れ、
「彼のようになりたい」、
とカーチィは学業そっちのけでビリーのアシスタントを務め、次第に興行という大人の世界に入り込んでいきます。
しかし、そこでカーチィが目にしたものは、憧れていたビリーの裏の顔でした・・・。
現実世界でもよくある話。憧れが一瞬で崩れ去る絶望感。
しかし、それを乗り越えて、人は成長していくのでしょうか。
と、悟ったことを言うようですが(笑)
この映画の見どころは、最後の裁判のシーン。
法廷でビリーの有罪判決の決め手となる証言を迫られたカーチィ。
その答えに驚きました。
嘘でもない、かといって質問の的をえた答えかというとそうでもない。
カーチィのトンチの効いた証言でビリーは有罪を免れることができました。
ビリーは去り、別の場で名を変えDJを。そしてカーチィは一つ大人へと成長したのでした。
ぜひ一度、ご覧いただきたい映画です。カーチィを演じる、今は亡きブラッド・レンフロの
みずみずしい演技が見られます。
ところで、この映画でビリーが乗る1959年型の真っ赤なキャデラック2ドアコンバーチブル。ビカビカに磨き上げられたその佇まいはまさに成功者のシンボルです。
そんなキャデラックで憧れのビリーが自分のもとに乗り付けるのですから、
カーチィ少年がシビれるのも無理はありません。
そんな憧れの年上の先輩が、かつて私にもいました。
かっこよくてやさしくて、ワルっぽいけど思いやりのある人でしたね。
できればもう一度、会いたいものです。
阿部